手毬を紡ぎ始めました。
新しいものづくりを始めてみました。
タイトルでネタバレの通り「手毬」です。
「三十路を過ぎた中年おっさん予備軍がなにおばあちゃん趣味な針仕事を始めてんだよ」
そんなごもっともなご意見が聞こえてきそうです。
そしてそのご意見、ごもっともであります(笑)
自分でも、なぜに手毬なぞ作り始めたのか俄かには理解に苦しむ。
でもしっかりと楽しんじゃっているのが私の妙なところ。
ってか、改めてはっきりと自覚したけど、私がやりたいと思うことに男らしさも女らしさも爺くささも婆くささもないのです!
やりたいならやるんじゃ!作りたいと思ったら作るんじゃ!面白かったなら面白いんじゃ!
我が興味に一分の偏見もなし、であります。
そんな訳でいまは手毬作りに没頭しております。
キッカケは別にどうってことありません。
ある日なんとなく本屋に入り、なんとなくハンドメイドコーナーをぶらぶら眺めていたら、手毬の本に目が止まりなんとなく手にとって、気がつけば購入し、その足で手芸屋さんに直行して必要な糸やら綿やらを買っていたというだけです。
この時点で既に相当変わりもんなんでしょうけれどね(笑)
相方には「絶対出来ないでしょ!なにやってんの!」と呆れられたし。
でもいざやってみるとなかなかに面白い。
何より出来上がったときの達成感と満足感は筆舌に耐え難いものがあります。
絹糸でかがっていくうちにだんだんと美しい模様が現れてくるのは地味に感動します。
とりあえず基礎を習得しようと、一冊の本をテキストにして難易度が低いものから順に手をつけています。
早く帰れた日や休みの日には、せっせと綿に糸をまきまき…針をちくちく…
そうして出来た記念すべき1個目がこちら
直径2.5センチ、円周8センチの小さな手毬です。初めてにしてはかなり上手くいったと思います。我ながら(笑)
呆れさせてしまった相方も、ちゃんとしたものが出来上がってきたことにちゃんと驚いてくれました。
やってみて初めてわかることって何にでもありますが、手毬作りも同様でした。
手毬作りは大きく3つの工程があります。
①土台作り
綿や紙、もみ殻など芯になるものに糸を巻きつけ土台となる鞠を作る工程。
②地割
土台となる鞠を地球に見立てて、北極と南極にあたる位置にまち針を打つ。両極を基準にして鞠を8等分〜に分割するように糸(地割糸)を巻く。
③模様かがり
地割糸を基準にして様々な色の糸を使って模様をかがっていく。
一番時間がかかり、作業の目玉になるのはやはり③の工程ですが、作品が成功するかどうかは①と②の工程にかかっています。
正確な模様を描くためには基準となる地割が正確に行われなければなりません。せっかくの模様が歪んでしまいます。
そして正確な地割をするためには土台となる鞠が正確な球体になっていなければなりません。
複雑な模様をかがっていくのは根気さえあればなんとかなりますが、①.②の工程がいい加減だとキレイな手毬に仕上がらないのです。
土台については、手芸屋さんで売ってる発泡スチロールの球を芯にするように指導しているところもあるそうですが、なんだか安直で邪道な感じがするので私は綿に糸巻いて土台を作っています。
特に②の地割の工程が難しい…
作品に応じて8等分、10等分、12、16、24と様々な地割が必要になります。
私はまだ16等分までしか試してませんが、まず北極と南極を正確に決めるのが難しいし、そこから等分に糸を巻くのも一苦労です。
ちょっとのズレが作品の仕上がりを左右するので一番気を遣います。
でもこの工程さえバシッと決まればあとはひたすら根気、根気の作業なので無心に針をチクチクしていればキレイな手毬の完成です。
今となっては生活の場から姿が消えつつあり、馴染みもなくなったように感じる手毬ですが、ハンドメイド界隈にはオリジナルの手毬はもちろん、アクセサリーに加工して販売している作家さんもいるようです。
前々からよく「才能の無駄遣い」と人に言われることがあります。
せっかく手先が器用で根気よく作業が続けられる性格なのに実用的なものとか、お金になるようなものを全然作らないからだそうな。
「竹で釣竿つくったよ!」と反論もしてみたけど、なかなか理解してくれる人は多くないでしょうな(笑)
色々と興味のあるものをとりあえず作ってみていたわけだけど、手毬作り面白いし、数が作れるようになったら今更だけど人にお譲り出来るようにまで持っていきたいと思っています。
しかし、我ながら老後の趣味探しには絶対に無縁だわ…